Xin Chào!
元刑事、現在ベトナム在住のMirai です
今回は、先日携帯電話を盗まれたことについての被害届を、ベトナムの警察(Công An)に出してきたことについて書いていこうと思います
前回の記事にも書いたように、ベトナム人姉ちゃんスリ師によって、ものの見事に携帯電話をスられたぼくは(笑)、被害届を出すべく、ベトナムの警察に行ってきました
…というのも、このときベトナムへ来て3カ月半くらいだったので、クレジットカードの海外旅行保険が適用されるかも!、ということで、傷ついたぼくの心を金銭的なカバーで癒すべく、その証明に被害届を出しにいったのです
*通常、クレジットカードの海外旅行保険の保証期間は、”渡航後3カ月” ですが、3月中旬以降はコロナで通常渡航ができなくなったため、保証期間の延長がされるかもしれないと考えての行動でしたが、後日「規定通りにしか対応できません」という保険会社の回答をもって、ぼくの傷心への金銭的な癒しの希望は崩れ去ったのですが…(ま、仕方ないんだけどね)
つまり
「せっかく時間と戦闘力(笑)を費やして、警察に被害届を出したにも関わらず、なんの益もない」
「せめてこのネタをブログ書くくらいしないと、全くの無駄骨で終わってしまう笑」
ということで、被害届を出した時のことについて、書いていこうと思います。
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被害時間が深夜12時を回る直前だったということ、翌日も朝から仕事だったということもあり、被害届を出すべく行動に出たのは、盗難被害の翌夕方
まずは現状回復が優先だと、仕事を終え(午前中)、午後からは新しい携帯電話の購入及びSIMカード及びデータの復旧に努めました
ちなみに、新しく買い替えた携帯がこちら
iPhone SE(第二世代)
この数カ月前に、コイツがリリースされていて本当に良かった笑
盗まれたiPhone XSからすると確かにスペックは劣りますが、それでもぼく程度の ITリテラシーしかない人間にとっては、コイツ十分です
当初、Appleの正規代理店に行ったところ、IPhone Ⅺしないと言われ、128GBで24,000,000VND~(約11万円~)というその価格に、心の傷をさらにえぐられそうになりましたが、ネットで市内のローカルショップを探したところ、運良くSEに巡り合えたのです
そしてこの辺りはさすがAppleというべきか、価格も日本で買うのと同じくらいの価格(12,000,000VND=約5万5000円)で買うことができたのは良かったです
ローカルショップといっても、新品未開封であることや、初期不良による故障は1カ月間の無償交換という条件等をしっかり確認し、ある程度信頼して購入を決めたこともあり、現在のところ目立った故障・不具合等もなく、元気に日々ぼくの生活の一翼を担ってくれています
…と、話は少し逸れましたが、そんなこんなで、被害届を出すべく交番に足を向けたのは、翌日の夕方
しかし、携帯を買い、携帯キャリアにSIMカードのデータ復旧をしてもらった後だったので(SIMのデータが復旧できたのも助かったー)、訪れたのはこの携帯キャリアのお店近くの交番
早速古びた交番にいる、いかにも緩そうな警察官のおっちゃんにことの顛末を話し、被害届(Đơn Bị Thiệt Hại・英語ではPolice Report ですね)を出したいと申し出ると
「被害に遭った場所は ダー カオ(Đa Kao)地区だろ?」
「ここは管轄じゃないから、捜査できない!ダーカオの交番に行ってくれ」
と
ま、被害場所近くの交番に来ることを決めた時点で、”もしかするとなー…” とは思っていたが、やはりそうか
でもまぁ想定の範囲内だ
日本の警察の素晴らしさを改めて感じながら、警察官の指示に了承する
しかもこの警察官、ご丁寧にダー カオ交番の場所の地図まで書いてくれた
(”Googleマップで教えて” と言って携帯のマップを見せるぼくに対し、頑なに自筆で地図を書いてくれ、説明してくれた笑)
ここで被害届は出せなかったものの、なかなかいいおっちゃんだ笑
とはいうものの、やはり一筋縄ではいかなさそうだ
被害届を出すには、心身ともにコンディションを整えていく必要があるとみた
…と、いうことで、この日は一旦自宅へ帰り、体勢を立て直すことに(けっこうメンタル的に疲れてました笑)
自宅で携帯のデータ復旧作業に勤しむ
幸い、Mac Bookにとってあった約2ヶ月前のバックアップがあったため、データの大半は戻った
ありがとうMac!ありがとうGoogleフォト!笑
LINEを除いて笑
…ま、これもデータの断捨離になったと、必死に前向きに捉える笑
…で、翌日
来たるベトナムの警察官との戦いに備えるべく、心身のコンディションを整えるため、午前中は爆睡笑
午後、いざ交番へ
Macから盗まれた携帯のシリアルも調べ、被害届を出しに向かう
昨日別交番で書いてもらったメモは見ず笑、Googleマップにてダー カオ地区の交番へたどり着く
Công an phường Đa Kao(ダー カオ 交番)
https://www.google.com/maps/place/C%C3%B4ng+an+ph%C6%B0%E1%BB%9Dng+%C4%90akao/@10.7871811,106.6963791,18.01z/data=!4m8!1m2!2m1!1sdon+canh+sat+Da+KHao!3m4!1s0x31752f34e34613e9:0x71f67e03c9fb63e4!8m2!3d10.7873321!4d106.6964453?hl=ja
幼稚園の隣に構える、なかなか年季の入った交番
ベトナムの地域警察官(緑色の制服)が何人かうろちょろしている笑
日本の感覚で、ぐいっと交番の中へ入ろうとすると、入口前の門で止められる
20代後半くらいの男性警察官だ
〜ここからは、随時対話形式で〜
警察官 A;おいおい、何の用だお前
*ベトナムの地域警察官は基本英語×なので、外国人であろうとお構いなくベトナム語MAXで話しかけてきます笑
ぼく(Mirai);実は一昨日の深夜、携帯を盗まれたんだ
だから被害届を出しに来た
A;ホントに盗られたのか?
酔っ払ってただろ、お前
M;確かに酒は飲んだけど、酔ってはない
ちゃんと歩いて帰ってきたし
犯人の顔も覚えてる
A;どれくらい飲んだんだ?
M;ビール1~2杯くらい(ウソです笑)
だから全然酔ってなかった
A;どんな状況で盗られたんだ?
人混みの中か?
M;違う違う…(被害状況を説明)
だからどっかに落としたなんてないし、犯人もその女で間違いない
交番へ入る前の門で繰り広げられる押し問答
昨日別の交番へはすんなり入れたのに、大違いである笑
この間も、制服を着た警察官数名が交番を出入りする
と、ここで、別の1人の警察官が足を止め、声を描けてくる
警察官 B;おいおい、何してんだ
A;あ、実はですね…
2人の言葉遣いと、階級章の星の数(ベトナムの警察の場合は両肩にある)からして、Aより階級が上の警察官のようだ
もちろんぼくもすかさず、階級が上のBに話しかける
M;昨日携帯を盗まれたから、被害届を出したいんだ
B:あ?
とりあえずお前は外国人だから、誰かベトナム人の知り合いを連れてこい
通訳が要る
M;ぼくベトナム語しゃべれるんで、大丈夫
通訳いりません
(正直、ベトナム語だったとしても、コイツらよりちゃんとした被害届を書ける自信がある笑)
B;いや、外国人だからダメなんだ
外国人って時点で通訳が要る、証人って意味も含めてだ
だからベトナム語ができてもダメだ
M;…むむう、、、
じゃあ、今から知り合いをここに呼んだら被害届出せるの?
そう、ぼくには大家さんという強い味方がいるのだ笑
突然こっちにベトナム人の友達にお願いするのはさすがに気が引けるが、大家さんならぼくの事情をよく知っている
なにより、何かあればいろいろ助けてくれる大家さんなのだ
ここは大家さんに頼るしかない
B;ベトナム人がいれば被害届は出せる
だが今からは無理だ
これから会議があるからな
M;…は?、、、会議?
出ました
これぞ「THE・ベトナムの警察」
日本ではあり得ない対応笑
これを堂々と言い切るあたりもさすがである笑
日本の警察の素晴らしさを改めて感じながらも、思い直す
…そう、ここはベトナム
ベトナムのルールが全てなのだ
基本、従うしかない
頭を切り替える
M:じゃあ、いつ来ればいいんだ?
B;そうだな、18時に来い
オレが対応してやる
ベトナム人連れてこいよ
M;分かった
18時にベトナム人連れてきたら、被害届出せるんだな
ちなみに、どれくらい時間かかる?
B:だいたい1時間ぐらいだ
M;あんた、名前はなんてんだ?
B;オレの名前は B だ
M:分かった、じゃあ18時にあんたを尋ねてまた来る
…という訳で、再度出直し
あの手この手で何かしら理由をつけて、被害届を阻止しようとしている姿勢が窺える
でも仕方ない
いったん家に戻り、ひとまず大家さんに協力依頼
しかしここが意外と難航
というのも、大家さん曰く、「去年ここに住んでいた韓国人(今はおらず)が携帯を盗まれたとき、被害届を出しに警察へ行ったが、目撃者がいないやら、防犯カメラがないやら、何も手掛かりがないから捜査できないやら、いろいろ言われて、結局被害届を出せなかったから、今回も行くだけ無駄だ」と言うのだ
何だかめんど臭そうな大家さん
ぼくに対してというよりも、警察に対して全く期待をしていないのが窺える
しかしここで引き下がらない
なにせ保険請求できるかが懸かっているのだ笑(傷心のぼくにとって、10万円はデカい笑)
「一緒に行ってくれるだけでいい、手続きはぼくが全部やるから」と言って、必死に説得
…末、何とか協力してくれることに
そして、決戦の18時
「17時50分くらいには家を出て、一緒に行こう」と言っていたのに、動きの遅い大家さん
”先に行ってて、着替えてから行くから” 、と笑
だから事前に出発時間を伝えてたのに、この辺がベトナム人Time だ
徒党を組んで被害届提出阻止を推進してくるベトナムの警察と闘わねばならないのだ
少しでもこれ以上相手につけ込まれるスキ(時間に遅れる等)を与えてはならない
気合を入れて臨むべき戦に、大家さんはかなり弱腰だ
だがこんなことでは諦めない
ひとまずぼくだけ先に時間通りに交番へ行き、敵陣へ切り込むことに笑
周囲も暗くなり始めた18時前に、再度交番に到着
今回は門で声を掛けられるも
「18時に来いって B に言われた、Bはいるか?」
と言って強行突破笑
遂に敵陣(交番内)に足を踏み入れる笑
中には私服の兄ちゃんが数名
タバコを吸ったりしながら(交番内でね)携帯をいじったり、掲示物を眺めたり何やりしている
「なーんや、他にもベトナム人が何人か相談に来とんや」
なーんて少し安心していた
と、ここで交番の奥から警察官が出てきた
ぼくはすかざす、Bと18時に約束していることを伝える
”分かった”、とは言われたものの、”ちょっと待て” と、椅子に座って待つように促される
交番内の椅子に座って Bを待っていると、ここで後発の援軍、大家さんが到着
この時すでに18時15分
「時間通りに来て、弱みを見せない」というぼくの心掛けは、ベトナム警察の前では要らぬ努力だったようだ
(大家さんは、そんなもんだろう、と思っていたのかもしれない)
援軍と合流し、引き続き椅子で待機する
交番の中は、出入口とつながったぼく達がいる部屋(見張室)の他に、北側には会議室のような大きな部屋が1室(この部屋の出入口はガラス戸なので中に別の警察官がいるのが見えた)、南側には中が見えないような個室タイプの作業部屋らしき部屋が2~3と、トイレ、そして上階へと繋がる階段が見えた
時刻は18時半に近づく
交番内では、引き続き時折何人かの制服の警察官(BやAではない)が奥や外へ出入りしている
…と、ここでなんと、先ほどから交番内でのんびりしていた私服のおっちゃん(写真にある眼鏡、黄と黒のチェックシャツ)も交番の奥へと入っていったではないか
それも1人で…
加えて、またさらに何人か、外から交番へ入ってきた私服のおっちゃんが、交番の奥へと入っていく
すると、私服のおっちゃんと制服の警察官が仲良く喋りながら、奥から出てくる
そして私服のおっちゃんの手には、小型無線機と思しきものが…
そう、この私服のおっちゃん達は、刑事だったのだ
完っ全に油断していた(油断ってなんだよ笑)
みな一様にショルダーバッグないしは小さめのボディーバッグを肩から掛けている私服のおっちゃん
…刑事だわ笑
何をするでもなく、ずっと交番内をうろうろしてる一般人なんて、いないよな笑
しかも交番内で堂々とタバコ吸ったりして笑
ぼくには別に何の害もないが、若干背筋が伸びる笑
ぼくも刑事時代、時々私服で交番へ寄ることがあったが、一般市民が来署しているところに出くわすと、懐疑の視線が飛んでくるのをよく感じたものだ笑
(いきなり入ってきた私服の兄ちゃんが、目の前のお巡りさんをスルーして、勝手に交番の奥に入ってくんだもんなー笑。しかも場合によっちゃ、奥から交番長の警察官が出てきて、出迎えてくれるし笑)
…とまぁ、当時を懐かしみつつ、さらに10分ほど待ったころ
とうとうお出ましになりました、B氏!
と、まだ割と内容が長くなりそうなので、今回はここで一旦切ります笑
続きはまた「後編」で!
それでは!
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