これぞ ”The・プロフェッショナル” !
【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜地域課編〜】

これぞ ”The・プロフェッショナル” !【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜地域課編〜】

chào các bạn!

どうも!

元警察官、現在ベトナム在住のMirai です!


前回に引き続き多くの反響をいただいている「警察官の本音」シリーズ!

今回は【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜地域課編〜】ということで、ぼくが地域課勤務(交番・パトカー)時代に会った ”超絶凄い警察官” 実際のエピソードトークを交えながら紹介していきます!


”警察官って公務員だし、お役所仕事しかできないんでしょ…”

と、思われがちですが、マジでめちゃめちゃ凄い人、沢山いるんです!

これに関してはホント、”あ、生きてる次元が違うな” って感じるくらい笑

そんなThe・プロフェッショナル” な方々を紹介していきます!

地域課とは(おさらい)

今回「〜地域課編〜」ということですが、まずは ”地域課ってなんぞや?” という方も多いと思うので、軽くおさらいしておきます

地域課というのは”部署の名前の一つ” で、刑事課・交通課・会計課…などと同じ部類の言葉になります

地域課の主な任務はこんな感じです

(任務)第二条 

 地域警察は、地域の実態を掌握して、その実態に即し、かつ、住民の意見及び要望にこたえた活動を行うとともに、市民の日常生活の場において、常に警戒体制を保持し、すべての警察事象に即応する活動を行い、もつて市民の日常生活の安全と平穏を確保することを任務とする。
 前項の任務を遂行するに当たつては、地域警察官は、地域を担当する自覚と責任を持つて、市民に対する積極的な奉仕を行い、市民との良好な関係を保持するとともに、管内の実態を的確に掌握するよう努めなければならない。

地域警察運営規則より

…はい、よく分かんないですよね、すいません笑(こんなんをひたすら丸暗記してた警察学校時代が懐かしい笑)

つまり「地域に密着して働き、何かあれば24時間すぐに駆けつけます(有事即応)」ってことです!

ポジションとしては主に

・交番や駐在のお巡りさん
・パトカーに乗ってパトロールしてる警察官

などが地域課の警察官となります!

また、地域課の警察官は制服を着て勤務してるので、それも一つの特徴ですね!(実際には交通課も制服着てますし、雑踏警備とかを行うときはどの部署の警察官も制服を着るので一概には言えませんが…)

一番みなさんに馴染みの深い警察官ではないでしょうか

具体的な業務内容としては

・警ら(パトロール)
・職務質問
・各種届出の受理(被害届、遺失・拾得届)
・交通事故の処理、違反の取締り etc…

といった感じですが、担当範囲はまだまだあり、言ってしまえば「警察の全ての業務です笑

ですがさすがに地域警察官だけで全て行う訳ではなく、「初動捜査」というところにフォーカスしています

”全ての業務の最初の部分を幅広くやる”って感じですね!


要は「事件事故があったら、いの一番に現場に駆けつけてくれてる警察官が地域警察官」ってことです!


そんな地域警察官ですが、警察の部署の中で一番人数が多く、ざっくりですが ”全警察官の3分の1くらいは地域警察官” となります

全国で警察官は30万人弱いるので、約10万人が地域警察官だとすると物凄い数ですね笑

また前述の通り、地域課は警察の業務を幅広く扱うため、警察学校を卒業した警察官は全員、最初この地域課へ配属され、交番で勤務することになります

あの怖そうな刑事さんも、白バイ乗ってる格好いい警察官も総理大臣を警備してるSPも…全員最初は交番のお巡りさんだったってことですね!

交番のお巡りさんは警察官なら誰もが通る道
交番のお巡りさんは警察官なら誰もが通る道

地頭とリアルマルチタスク〜A巡査部長〜

はい、ではここからが本題ですね!

マジで凄い警察官〜地域課編〜、まず1人目は ”A巡査部長”

A巡査部長(以下A部長)は、ぼくが警察学校を卒業し、初めて交番に配属になったときに就いた上司でした

警察学校を卒業したての警察官は最初の数ヶ月、上司とペアで動き、警察官の実務をOJT形式で学ぶことになるのですが、イメージ、”24時間ずっと一緒にいるメンター” って感じですかね笑(交番は泊まり勤務なので正確にはもっと長いですね笑)
生活の半分以上の時間を共にする上司…
ここで ”いい上司にあたるかどうか” で、交番員としてスムーズにスタートを切れるか変わってきます笑

…で、いきなり凄い人の下につけたのはホント当たりでしたね笑(とはいえ、赴任して数ヶ月くらいは勤務中に雷を落とされて、数日口をきいてもらえないことも何度かありましたが…笑)


まずA部長の凄いところは ”とにかく地頭がいい” ということ!

警察の実務に関するものや各種法令に関する知識はもちろんのこと、それ以外の学問というか雑学に対する知識量がハンパない笑

”ライデンフロスト現象””マズローの欲求第6段階” なんて、A部長から聞かなければおそらく一生知ることのない言葉だったでしょう笑(そもそも警察に関係ないし笑)

”A部長、なんでそんな言葉知ってるんですかー笑” とツッコんだことは数しれず…笑

ぼくも旧帝落ち、国立大を出てそれなりの学を積んできたつもりだったのですが、A部長には全く敵う気がしませんでした笑


で、そんな基礎能力の高さに加え、このA部長 ”リアルマルチタスク人間” だったのです!(造語です笑)

一般にマルチタスクというと、”いくつかの案件を同時進行で管理し、進めていく” 的なイメージですが、A部長は ”ぼくと普通に雑談しながら、パソコンで報告書や捜査書類を書き上げていきます!”

報告書や捜査書類っていうのはけっこう頭を使うので、考えながら作成していくものなのですが、A部長はぼくと全っ然違う話題の会話を普通にしながら進めていくのです笑

これぞ”リアルマルチタスク人間”

ぼくも書類を作っている時、よくA部長に全く関係ない話題の雑談を振られるのですが、書類作成に集中させて欲しいぼくは ”A部長!今、ぼく書類作ってるんですから話しかけないでくださいよー” と抵抗しましたが、「はぁ?オレはいっつもMirai と雑談しながら書類作っとるやろー。そんくらいできんとイカンぞ」と一蹴され、しかも実際にそうなのでぐうの音も出ませんでした…笑

ぼくの中ではA部長のこの行為を ”妨害” と呼んでいましたが笑、A部長は全く気にする様子もなく、寧ろぼくがパソコンの前で書類を作ってると ”なあなあMirai〜、これがさあ…” なーんて嬉しそうな顔で話しかけてくるので、かなり鍛えられましたね笑


また、夜の仮眠時間などでも、A部長は仕事が早いので時間までに仕事を片付けてすぐに寝れる態勢になってますが、新米警察官だったぼくはまだ仕事が残っていたりします…

そんなときに仮眠時間を削ってぼくだけ仕事をしようとすると ”お前はオレの部下だから、オレと一緒に寝にゃいかん!仕事が残ってるのは時間内に終わらせられなかったお前が悪い!” と仕事をさせてくれません笑

警察官なら分かると思いますが、仮眠時間にこのような言葉を言ってくれる上司というのはとてもいい人です!

ですが、仕事が終わってないことには変わりはないので苦笑、それからは時間内に仕事が終わるよう、必死に作業効率を上げること意識して仕事をするようになりました

A部長には、警察官としての基礎を叩き込んでもらったのはもちろんですが、ぼくがある程度一人で動けるようになってからは自由と裁量を大きく与えてくれ、”何かあったら助けてくれる” というスタイルで指導してくれたお陰で、それぞれの現場で自分で考え・判断することにより、ぼくは本当に多くのことを学ぶことができました

また3年目くらいになると、ぼくが警らに出ていると、逆にA部長が雑多な業務や小さい事件事故を片付けておいてくれたりしました(←これ、警察ではまずありえません!)


そんなスーパースペックなA部長を警察官としてはもちろん、一人の人間として今でも尊敬しています!

”自由と裁量” を与えてもらえたことはぼくの中で大きかった
”自由と裁量” を与えてもらえたことはぼくの中で大きかった

圧倒的な経験値と知識量〜B警部補〜

2人目は ”B警部補”

B警部補(以下B係長)はぼくが2年目の時に赴任してきた方なのですが、前任が本部の本部の通信指令課(リンクは埼玉県警です)ということで、いわば無線のスペシャリスト

B係長はぼくが警察官として働き始めて2年目くらいに、同じ係の通信指令司令ポジションへと異動してきたのですが、赴任直後からその圧倒的な無線テクニックと指揮力で係を統率していきました

もちろん、係には同じポジションの係長が他にも2人おり、現場経験豊富かつ出世スピードもなかなか早いという、とても優秀な方々だったのですが、B係長のレベルはもはや次元が違いましたね…笑

ぼくのいた県警の1日の110番件数はおよそ2500~3000件(全国でもトップ5に入る件数です)だったのですが、この数の110番を長年捌いてきたという”圧倒的な経験値”

事件・事故というのは、同じ or 似たように見えて1つ1つ違うのが普通なので、基本的には警察官が”現場で臨機応変に対応する”のですが、B係長はこの経験値「N」の部分が膨大にあり、しかも自身にしっかりと蓄積されているため、この”現場で臨機応変に対応する” という部分まで経験で賄えてしまうのです…

そしてその経験を元に現場へ指示を出すので、とても理に適った正確な指示となるため、現場の警察官の職務執行の大きな助けとなるのです!

うーん、ちょっと警察官以外の方には伝わりにくいかもしれませんが、これってめちゃめちゃ凄いことなんです笑


例えば、県警全体でも年に数回しか起きない規模の大事件(=現場の警察官はほとんど経験したことがない事件)が起きたとしても、B係長が現場の全ての警察官へ指示を出してくれますし、場合によっちゃ本部通信指令課の司令を取り消してでも自ら的確な指示を出してくれるのです!

ぼくも警察官として独り立ちし、ようやく1人での現場出向が認められ始めたころ、1人で緊張しながら現着(現場到着)の無線を上げると、B係長が「貴局、◯◯で◯◯と◯◯を行い、その際✕✕に留意せよ。また△△かどうかも確認し、一報すること」という風に、現場で何をすればいいか全て指示をくれたので本当に心強かったですね!

ホント、ぼくが見てる現場の風景がB係長にそのまま見えてるんじゃないかと思うほど的確な判断と指示を、たった数行のメモと時間・地理的条件等から総合的に導き出してるんだから、桁違いに凄いです笑


そして知識量も凄い!

「ハッチバックタイプでブレーキランプが〇〇の形なら、✕✕年式の△△だね」と、交通課事故捜査係バリの車に関する知識笑

”Mirai ちゃん、車名・車種・年式くらい覚えんと手配車両追っかけれんよー” と言われたのでぼくも頑張って覚えましたが、B係長の域には到底達しませんでした…苦笑

時には「そういやそこの道路って南行き車線に◯◯の標識あったよね?じゃあ大丈夫だよ!」なーんて ”あんたオレより赴任後だよな?県内道路の標識の場所まで把握してんのか!笑” とツッコミたくなるほど笑

またこのB係長、中でも一番知識が深いのが ”バイク””刃牙(マンガ)” そして ”ガンダム” という、自他ともに認める警察関係なしのオタクっぷり笑

人柄も ”とても気のいい、おしゃべり好きな上司” という感じでとても話しやすく、ぼくも本当にお世話になりました!


係で一番の実績を挙げ、トップスピードで出世していたぼくですが(手前味噌ですいません笑)、B係長の経験値と知識量が圧倒的過ぎて、

”ああ、この人にはぼくがあと4~5年死ぬ気で頑張って働いたところで敵わないな…”

と心から思うとともに、尊敬の念を抱かずにはいられませんでした…

真似のできないオーラと人間力〜C巡査部長〜

ラスト、3人目は”C巡査部長”

C巡査部長(以下C部長)は、パトカー勤務大柄で強面なベテラン警察官!

C部長は、ぼくが現場の勤務にもある程度慣れて実績を出し始めたころに、同じ係のパトカー班に異動してきました

見るからに気難しそうで強面(笑)なC部長は、実際仕事もかなりストイック&拘りを持って行われるので、パトカーの相勤の先輩(パトカーは2人1組で勤務)もかなり気を遣ったらしく、相勤半年で7キロほど体重が減ったそうです…

当時それなりに実績も挙げていたため、係内権力も若手の中ではかなり上がってましたが、大柄・強面のベテラン上司で、しかも上記のようなエピソードを先輩本人から聞いていたので、ぼくのC部長に対するイメージは正直、「怖い」の二文字でした苦笑

そんなC部長と初めてペア勤務になった時はビビりましたねー笑
いつもレギュラーでC部長とペアを組んでいる先輩が有給を取ったので、代打としてぼくが選ばれたのですが、その時は代打に選んだB係長を恨みましたね…笑(大丈夫Mirai ちゃんならー♪、なーんて言ってもらえるのかと思いきや、”しっかり揉まれてきなさい笑” と肩を叩かれた時は、マジで次の当務が憂鬱でした笑)

懸念事項は、”誰よりもデキる&気の利く部下として動く”こと笑!

現場で一瞬たりともC部長に遅れをとってはならないと気を張っていたので、三手先くらいは先回りできるよう、ぼくたちへ司令が来る・来ないに関わらず、常に頭をフル回転させてありとあらゆる場面を想定したり、車内では適度なタイミングでおもしろい小話を振れるようネタを考えていったり(デートか笑)と、ホント普段の5倍くらい疲れる勤務でした笑(←この感じ、警察官なら分かってくれるハズ笑)

準備の甲斐あり、代打勤務の出来は上々!笑
C部長からは ”なかなかおもしろい若造” として認識してもらえたのです笑

幸い現場での動きも良かったらしく、C部長の評価はさらに上がったのですが、これを機に代打勤務の際には毎回C部長から指名されるようになりました苦笑(初回で警察2年分のエピソードを全て使い切ってしまったため、それ以降のネタには本当に困りました笑)


ちょっと前置きが長くなってしましたが笑、このC部長が凄いのは、”オーラ” がハンパないところです!

C部長が現場へ行くと、どんな荒れた現場でも収まるのです

特段声を荒げたりする訳でもないのですが、スッと間に入るとそれだけで頭に血を上らせて騒ぎまくっていた輩が怯み、低く渋みのある声でC部長が話すと、皆大人しく耳を傾けます…

普段からオーラみたいなものは放っているのですが笑、現場へ出るとそれが物凄いんです!

もうこれは ”覇気” ですね!、”リアル覇気”

それなりに現場を上手くまとめる力もついてきていた当時のぼくでしたが、これはさすがにレベルが違い過ぎて、ただただ感服するしかなかったですね…(C部長はちゃんと覇気をコントロールして、ぼくを威圧しないようにしてくれてたのかもしれません笑)

これもC係長と同じく、”ぼくがあと4~5年死ぬ気で頑張って働いたところで敵わないな…” と心から感じました


また、C部長からは ”人として大切なこと” を数多く教えてもらいました

”何事も真面目にきちっとやるのが一番スマートで格好いい””人をいじってもいいけど、悪口は言っちゃダメだ””署では胸張って通路の真ん中を堂々と歩け”…などなど、

父と子くらい歳の差がある社会人駆け出しの若造に、これほどまでに気持ちのこもった話や現場での指導をしてもらったことは、ぼくにとってかけがえのない財産となっています


3年目に入り、C部長の相勤が準レギュラー化してきたころから、C部長はぼくのことを ”Miku ちゃん” と呼ぶようになりましたが、その低く渋い声で名前を呼ばれるのが、恥ずかしくも嬉しくありました笑

若造が数年必死こいて頑張ったところでこのレベルの”オーラ”は身につかない
若造が数年必死こいて頑張ったところでこのレベルの”オーラ”は身につかない

まとめ

さて、【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜地域課編〜】いかがだったでしょうか!

書きながらついつい思い出に浸ってしまったので、”凄いところ” とは関係ないエピソード多めとなってしまったと思いますが…笑

結局 ”凄い警察官” と言いながらも、今でもぼくが尊敬する「大恩人」についての話でしたね笑


とにかく、日本の警察官ってマジで凄いんです笑
みんなにホントこのことを分かって欲しい!

現在ぼくは警察官ではありませんが、今でも第一線で命を懸けて勤務している元同僚達のことを心から尊敬していますし、母国日本が、こういった素晴らしい警察官に守られていることを心強く思う共に、本当に感謝しています…




ではまた!

・刑事課編はこちら

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