警察学校ってどんなところ?
【警察学校のリアル!① 】

警察学校のリアル①

Xin chào các bạn!

どうも!

元警察官、現在ベトナム在住のMirai です!


大人気(?)、警察官の本音シリーズ笑

これまで、警察組織警察の凄い人について紹介してきたわけですが(興味のある方は下記リンクからどうぞ)、今回取り上げるテーマは「警察学校」!!

これぞ ”The・プロフェッショナル” !【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜地域課編〜】
これぞ ”The・プロフェッショナル” !【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜刑事課編〜】

警察に全く興味のない人でも 警察学校” という言葉くらいは聞いたことあると思います(警察学校に関する小説もありますし、何度かドラマ化もされてますしね)

警察学校については、”全寮制でめちゃめちゃキツいらしい…”、”全員丸刈りにさせられるって…”、”超走らされるイメージ…”、”拳銃の授業もあるの?”、”教場のキムタク格好いい…笑”、などなど、世間一般からはあることないこと噂されていますが、、、笑

そんな、気になるけどなかなか知られていない警察学校のリアルな部分を、全数回に分けて紹介していければと思います!


もちろん、警察学校の情報は各県警のHPでも公開されているのですが、採用ページなんて ”良いところは強調し、悪ところを薄く書く” のが官公関係なく、どこの企業でも普通です笑

ですが本ブログでは、ぼくの実体験を元にリアルな情報を公開できる範囲で書いていければと思っています!


警察に興味のある社会人の方々はもちろんですが、これから警察官を目指そうと考えている学生の方々も、この記事を通して警察学校についてより知ってもらえれば幸いです!

そもそも警察学校って何?

”警察学校という言葉は知ってるけど、警察学校って何なの?” という方のために、まずは警察学校とうもの自体について、簡単に紹介していきます


”警察学校” とは、警察官採用試験に合格した新任の警察官(初任科生)に対し、警察官としての知識・職務執行能力、そして心構えを教育する職業訓練機関です
*警察学校卒業後も、部署変更や職域の変更等に応じて再度入校することがありますが、ここでは割愛します

”〜学校” という呼び方なので教育機関と間違われがちですが、警察学校に入校した時点で ”地方公務員” となるので(初任科生は条件付採用=試用期間)、入校中も給料がもらえますし、学校教育法でいうところの学校ではなく、あくまで ”警察組織内の研修・訓練機関” という立ち位置になります

要するに警察学校は、履歴書の「学歴ではなく職歴に換算されるということですね!


警察学校は各都道府県ごとにあり、警察官採用試験に合格した県の警察学校へ入校し、初任科という新人研修を受けることとなります

ちなみに警察学校は全寮制で、全員が警察学校内にある寮にて集団生活を送りながら研修を受けることになります

上記の通り警察学校は各都道府県警ごとにあるので、警察学校の行事や研修スタイルも県ごとに少しずつ異なりますが、90%くらいは同じと考えてもらって問題ないでしょう!
(今回の記事では、警視庁の警察学校を例に挙げながら解説させてもらえればと思います)

初任科は警察官全員が必ず通る道なので、交番のお巡りさんも、白バイも、本部の刑事さんも全員警察学校初任科を卒業しています

初任科での期間は学歴によって異なり、大卒程度(I類)で6ヶ月短大・専門卒(Ⅱ類)&高卒(Ⅲ類)で10ヶ月となっています
*ぼくも初任科(大卒なので6ヶ月)を卒業しています♪


そして、無事に初任科の研修を終え、警察学校を卒業した警察官は、県内の各警察署(地域課)へ配属されていくのです

警察学校は職業訓練機関
警察学校は職業訓練機関

警察学校のカリキュラム

警察学校のカリキュラムはこんな感じです

一般教養職務倫理 OA実習 国語 など
法学憲法 行政法 刑法 刑事訴訟法 など
警察実務地域警察 交通警察 刑事警察 生活安全警察 警備警察
組織犯罪対策 警務一般 その他実務知識 など
術科体育 教練 柔道/剣道(女性は合気道も)から選択 逮捕術 救急法 拳銃操法 など
その他警察署での実務修習(現場実習) 各種行事
引用元:警視庁採用サイト


…というだけでは色気もクソもないので笑、ぼくから少し補足でコメントしていければと思います♪

  • 一般教養:職務倫理、OA実習、国語など
    →警察官としての専門知識はもちろんですが、社会人としての一般教養を受ける時間もあります
     ”敬語の使い方”、みたいなのもやった記憶がありますね!
     また、警察官は公私ともに、警察職員の職務倫理及び服務に関する規則に基づいて生活しなければならないので、丸暗記はもちろん各種事例の紹介により職務倫理を叩き込まれます笑
     基本的には不祥事の防止を目的として行われるので、考え方を染み付かせるのは大事ですね
     *「訓育」という科目もあり(県によって呼び方違うかも)、本部〇〇課の偉い人が来たり、時には社外から外部講師が来て講演をしてくれたりもします
     初任科期間中はとにかく警察組織に染まるので、外部講師の話が聞けるこの時間がぼくは好きでしたね笑
  • 法学:憲法 行政法 刑法 刑事訴訟法 など
    →知識的には大学の法学部でやるような感じですが、これを警察が扱うような実際の現場に当てはめて擬律判断の基礎を養っていく、という感じですね!
     特にこの ”擬律判断” という部分、なかなか聞き慣れない言葉かもしれませんが、刑事にとっては特に大切で、この判断を素早く的確にできることがデキる刑事の重要な要素の一つです
  • 警察実務:地域警察、交通警察、刑事警察、生活安全警察、警備警察、組織犯罪対策、警務一般 その他実務知識 など
    →ここに関しては、正直話せることが少ないです苦笑
     基本的には座学中心となるのですが、職務質問鑑識など、ロープレ形式の訓練があるのでそこはモチベーションがあがりましたね♪
  • 術科:体育 教練 柔道/剣道(女性は合気道も)から選択 逮捕術 救急法 拳銃操法 など
    →警察での術科は基本的に身長・体重関係なしの無差別級で行われるので、体格の小さい人は苦労するでしょう…苦笑
     またこの他にもマラソン盾を持ってひたすら走る訓練もあるので、パワー系だけ得意でも苦しいと思います
     (警視庁の女性は合気道もあるんですね!おそらくほとんどの県はないと思います)
  • その他:警察署での実務修習(現場実習) 各種行事
    →警察学校に入り数ヶ月すると、交番での実務研修があります!
     ぼくの県では約10日間でしたが、学校から出れるのでとにかくテンション上がりましたね笑
     ですが同時に、”自分はまだまだ現場では何の役にも立たないレベルだ” ということも痛感させられました…

警察学校の行事

お次は警察学校の行事についてですが、警視庁採用HPによると、

・入校式
・体育祭
・卒業式

くらいしか書いてないですね苦笑

あ、紹介動画を見るともうちょいありますね!

・学校祭
・卒業点検(卒業査閲)

県によって異なると思いますが、ぼくの県では当時、こんなのもありました!

・競歩訓練:20〜30キロくらい歩く→学校へ戻った後もひたすらランニング
・術科大会:柔道、剣道、逮捕術の大会(これに勝ち抜かないと卒業後、現場に配属された後も訓練・検定に行かされる泣)
・二輪、四輪車検定:これに合格しないと警察車両(公用車)を運転できない
・緊急招集訓練:夜中にいきなり全員呼び出される笑

他にも、タイミングにもよりますが ”県警内での柔道・剣道・逮捕術大会” みたいなものへ選抜された人達だけ参加することもあります

体格が小さいと初心者は術科がキツい
体格が小さいと初心者は術科がキツい

警察学校の規則

最後に、警察学校で初任科生に課される厳しい規則について、少しだけ紹介していきます笑

  • 外出外泊は許可制
    →警察学校では外出・外泊は許可制で、基本的に平日は外出泊禁止です(警察学校の授業は平日で土日は休み)
     なので週末に少しでも外の空気を吸おうと笑、皆外泊申請をして外泊することになるのですが、警察学校へ入って3週間〜1ヶ月ほどは、土日の外出泊も全て禁止です涙
     また、外泊と言っても基本的に宿泊できるのは親族・家族の家のみです…
     なので ”平日警察学校でしごかれた心身を、週末彼女の家へ泊まりにいって慰めてもらおう…” なーんてことはできないのです笑
     
  • 携帯電話没収
    →これに関しては現在は課外時間は使えるようになってそうなのですが、ぼくが警察学校にいた頃は平日は携帯電話を没収されていました泣
     週末には返してもらえるのですが、たとえ電源をOFFにしていたとしても、1週間も放置していれば電池もなくなるので、”返してもらったらソッコー充電!”、みたいなスタイルでいかないと電車の時刻も調べれません笑
     最初はLINEやネットなどが使えず、完全に外部と切り離される生活にストレスを感じるかな、と思っていたのですが、初任科の生活は ”携帯があったとしても使う時間がないくらい忙しい” ので、思い返すとあまり気にならなかったような気もします…笑
  • 厳格な上下関係
    →警察学校にいる人は、権力順に大きく以下4つのグループに分けられます

    ①教官(警察歴10年程度〜)
    >②指導先輩(警察歴3年程度〜)
    >③初任科の先輩(警察学校歴半年〜)
    >④自分&同期生

     この上下関係がめちゃめちゃ厳格!笑
     ④の自分&同期生が底辺に位置することや、①の教官が最高位に位置することは当然として、やっかいなのは②の指導先輩③の初任科の先輩です
     ②は警察歴3年程度、③は警察学校歴半年程度(初任科中)で、この中には高卒で警察官になっている人もたくさんいます
     一方、④には大卒生や転職組もいるので、②や③の人よりも年上の人もいる訳です!
     ”職歴が長い方が立場が上なのは普通じゃん♪” と思うかもしれませんが、民間企業ではあり得ないくらいの権力差があるので、「30歳前で家族も子どももいる④の同期が、まだ酒もタバコも知らない③の19かそこらの先輩に、理不尽に怒鳴られボロクソに言われる」などということもあるのです…

     ま、いくら”指導するのが先輩の仕事” とは言え、そんなことをしている時点で人としての器が知れてるんですけどね笑
     ぼくは22で警察学校へ入ったので、まだ耐えれましたが、25を超えて警察学校へ入って来る人は本当に大人だなぁ、と感じていました
  • 全て団体行動・連帯責任
    →警察学校ではとにかくクラス・部屋単位の団体行動です
     ご飯を食べるのも風呂へ入るのも、校内の移動も全てです
     ただの団体行動なら特に問題ないのでしょうが、これに連帯責任も伴います
     入校してしばらくは団体行動について特に厳しく、また超時間がないので笑、例えばご飯を食べるのが少し遅いメンバーがいれば、残りの同期は廊下に整列して待ち、全員が揃うまで次の行動に移れず、クラス全員に迷惑をかけることとなります…
     万一そのせいでクラスの誰かが遅刻しようものなら、クラス全員へのペナルティ(ランニング、廊下掃除、反省文など)は避けられません…
     ”クラスや仲間の足を引っ張ってしまう…” という立場になってしまうと、本当に精神的に辛いですね…
  • おまけ : 言論の統制(笑)
    →これはあくまで参考程度に聞いてください
     ぼくが警察学校へ入って1ヶ月以内の、まだ土日も外出禁止だったころのことです
     土日(休日)に誰かがグラウンドで「あー!プリン食いてぇ〜!」とかなんか叫んだのが教官に聞こえたみたいで「警察官が ”プリン食いてぇー” なんて叫んで、市民に聞こえたらどうすんだ!怒」と雷を落とされ、そのクラスはペナルティを喰らってました…笑
     よっぽど、日々の警察学校での生活にストレスが溜まっていたんでしょう笑
     個人的には ”プリン食いてぇくらい言ってもいいじゃん、しかも休日なんだし…” と思っていましたが、まぁ時と場所はわきまえるべきではありますね…笑
警察学校で団体行動を叩き込まれる
警察学校で団体行動を叩き込まれる

まとめ

ということで、今回は警察学校の一般的な情報について書いてみましたが、いかがだったでしょうか!

イメージより厳しい部分もあったかもしれませんが、辛い時に助けてくれる仲間ができるのも警察学校です

また、今回はあくまで概要ベースだったので、あまり具体的なエピソードは書けませんでしたが、今後も数回に分けて警察学校についての記事を書いていく予定なので、乞うご期待ということで笑


ちなみに!、警察学校は丸刈りじゃなくても大丈夫です笑






ではまた!

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