これぞ ”The・プロフェッショナル” !
【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜刑事課編〜】

これぞ ”The・プロフェッショナル” !【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜刑事課編〜】

Chào mọi người !

どうも!

元刑事、現在ベトナム在住のMirai です!


「警察官の本音」シリーズ!
前回の地域課編に引き続き、今回は【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜刑事課編〜】


世間一般でも割とお馴染みの”刑事課”

なんだか刑事って凄そうな雰囲気ありますよねー笑

実際のところオフィシャルには優劣はついてないものの、”刑事課は別格” という雰囲気が警察内にもあります

…まぁその分、担当する業務量も重さも桁違いなんですけどね、、、
民間で言うところの ”超激務の花形部署” って感じすかね苦笑

そんな、そもそもアベレージからスペックの高い刑事の中でも、”ぼくが会ったひときわ凄い刑事” を紹介していければと思います!

刑事課とは(おさらい)

映画やドラマでお馴染みの”刑事課”

刑事課の主な業務としてはこんな感じです

・殺人、強盗、窃盗、知能犯罪、暴力団犯罪などの捜査
・覚醒剤、銃器犯罪の取締り、鑑識活動
・被疑者の逮捕、取調べ、捜索差押え
・各種令状請求 etc…

なんか単語を聞くだけでもめちゃめちゃ凄そうですよね…

分かりやすく言うと「犯人を逮捕しなければならないよう重大犯罪を取り扱う部署」ってことです

ま、”刑法系の大きい事件は基本的に刑事課の担当” だと思ってもらえればいいです(もちろん適用法令等によって刑事課以外が捜査する場合もあります)


地域課のように刑事課の任務をピンポイントで示す根拠法令というのはないのですが、他部署に比べ、以下全ての法律が特に色濃く関わってきます

・刑法
・刑事訴訟法
・犯罪捜査規範
・各種判例
 など

また、”刑事=役職の名前” と勘違いしている人もいるかと思いますが、先日別記事で紹介したように、刑事というのは部署の名前で、役職名ではありません」

”警察といえば刑事、刑事と言えば捜査一課”、なーんてイメージされる方もいるかと思いますが、民間でいう”営業課・第一係” みたいなもんです笑

なので、刑事だからといって他の部署と比べて偉いだとかというのはなく、”オフィシャルには”階級が同じであれば所属部署は関係ありません

…ですが、警察内にもいわゆる”社内権力” みたいなものが少なからずあり、刑事課はこれがめちゃめちゃ高いのです笑

というのも、警察内でもそう認められるだけの業務量・重さをこなし、かつ仕事がデキる警察官が揃っているから

ただの頭でっかちじゃないってことですね笑

刑事課の社内権力、発言力的な部分に関しては、警察内でも意見の分かれるところだと思いますが、実際働いてた身からすると、日々遅くまでの残業や休日出勤を繰り返して他部署の何倍も業務こなしてるんだから、それくらいの発言権はあって然るべきだと思います(マジで、キツいので苦笑)


ただ、”警察の最後の砦” と言われるように、「捜査」に関してはやはり刑事が一番力を持っていますし、刑事課だからこそ磨かれる圧倒的なスキル、そして刑事課だからこそ味わえるやり甲斐などは、何事にも変え難く、格別なのです!

*ぼくの意見はあくまで”都市部の県警・大規模警察署の刑事課” ベースなので地方の県警や中小規模警察署の刑事課ではまた少し異なるかもしれません

警察最後の砦 ”刑事課”
警察最後の砦 ”刑事課”

熱血漢のハイスペック刑事〜A警部補〜

それでは本題です!

【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜刑事課編〜】、まずは一人目は ”A警部補”


A警部補(以下A係長)はぼくが初めて刑事課に配属になった時に就いた、直属の上司でした

A係長はとても優秀な方で、昇任試験もほぼストレートで上がっていたため、ぼくより数歳年上でしたが、既に役職も一つ上の係長でした

署内でも ”A係長は若くて優秀だ”、”間違いなく将来県警の幹部になるエリートだ” と言われていましたが、”エリート” という言葉とは裏腹に、泥臭い捜査を地道に淡々とやっていくスタイルの刑事でした

県内から選りすぐりの刑事が集まると言われるぼくのいた署の刑事課でも、警部補としては一番若いくらいだったと思います

また、A係長はホントに”熱い人”で、刑事としての正義感、警察官としての誇りと使命感に溢れる人でした

そして同じくらい ”仲間や部下を大事にしてくれる人” でもありました

刑事になりたてで、文字通り右も左も全く分からないぼくに対し、一から十まで手取り足取り教え…なーんて甘い世界ではないですが笑、実に辛抱強く、ぼくの失敗と成長を見守ってくれたと思います

ホント、刑事になったばかりのころは、書類も書けない・擬律判断も出来ない・被疑者も謳わせられないという散々な主任だったぼくに、何度失敗しても本当に辛抱強くチャンスを与えてくれたと思います…

ガチで気合を入れられることも多かったですが笑、”部下を信頼してやらせてみて、もし失敗したらケツを拭いてくれる” という漢気溢れた上司でした

冗談抜きに、何があっても部下を信頼し・守ってくれるので、ぼくもそんなA係長になんとか報いようと、本当に必死でしたね笑
最初の半年くらいは精神的にも体力的にも本当に辛かったですが、こんなA係長の元で働けたからこそ、刑事として大きく成長することができたと思います(大きな事件のときには、取調べをこそっと覗きに来たこともあったらしいのですが、”Mirai 部長が勝負に出とるとこやったから声かけずに帰ってきたわ笑” などとこそっと後から言ってくれるもの嬉しかったですね笑)


また、A係長は極めて負けん気が強い方でした

もちろん組織人として忖度をしなければならない場面はありますが、”次は自信を持って自分の判断で動けるようにしよう” と、日々大量の事件捜査に追われる中で、A係長はまるで刑事一年目の刑事かのように、実に謙虚に一つ一つの事件や判断から学び、それを着実に自分のモノにしていっていました

部下として少しでも上司に近づけるよう努力していた中、上司はさらに遠くへいってしまう…、みたいな感じですかね笑

A係長自身も、まだまだ熟練の刑事とは言えない域だと自戒してのことだと思いますが、上司のそんな姿は、部下にとって大変刺激になりました


さらにA係長は、身体能力もハンパなく、剣道めちゃ強逮捕術めちゃ強(←警察拳法みたいなのです)、そして足もめちゃ速の文武両道人間でした

若かりし交番勤務時代も、その人並み外れた身体能力を活かし、現場で数々の被疑者を取り押さえてきたといいます…

加えてA係長、めちゃめちゃタフなのです!
なんで徹夜明けでそんなに動けるんだってくらいパフォーマンスが落ちない!
…部下としては、自分が徹夜明けのときの逃げ道がなくなるんですが苦笑


そんなA係長と、極々たまーーーに、平和に一日が終わった日は仕事終わりに飲みに行っていましたが、お酒が入ってくると決まって、”みんないつもありがとう、オレが係長として仕事できとるのはみんなのお陰や!本っ気でありがとう!” などと言ってくれるので、本当は偶に早く帰れる日くらい家でゆっくりしたかったなー、と思っていたぼくでしたが、いつも心を熱くして終電で帰宅していました笑

こんな熱い上司の元で刑事一年目を過ごせたのは本当に恵まれていたと思いますし、今でも感謝が尽きません

と同時に、A係長の姿が、今のぼくの上司としての行動指針の一つとなっていることは間違いありません!

A係長と臨場する現場は楽しかった
A係長と臨場する現場は楽しかった

どんな時でも仕事は楽しく〜B巡査長〜

2人目は ”B巡査長”

B巡査長(以下Bさん)はぼくが刑事2年目のころ、直属の部下として異動してきた方でした

そうです!この「ぼくが出会ったマジで凄い警察官シリーズ」初、部下からのランクイン

…とはいっても、Bさんはぼくより10歳近く年上で、刑事経験もぼくより5年以上長いというベテラン刑事
いわゆる、”年上の部下” だったのですが、正直ぼくの中では部下だなんてほとんど思ってませんでした笑


そんなBさん!
刑事としての実力もさることながら、とにかくおもしろい人で、”どんな時でも仕事は楽しく♪” をモットーに、超ドクソ忙しい場面でも、係の部屋では必ず小ボケを挟み、ぼくたちにツッコませるのです笑

徹夜や残業が続き、抱える事件も多い中、さらに事件に複数起きる事件…
疲弊しきった身体で普通なら超絶暗くなってしまうところですが、いつもBさんが係の空気を変えてくれます!

そんなスタイルのBさんに、ぼくたちの係は何度助けられたことでしょう…

それなりに刑事として力はついてきたぼくでしたが、一番下の役職でありながら、チームを鼓舞し前を向かせることができる力を持つBさんを本当に凄いと思ってました!


また、ぼくに”年下の上司”であるぼくに対しても、変にプライドを持ったり気を遣ったりせず、対等に接してくれたのは本当にありがたかったです(年齢と役職の逆転に関してはどこの企業も同じだと思いますが、本当に難しいですよね…)

そのお陰でぼくも経験豊富なBさんに何でも聞くことができ、肩肘張ることなくBさんから学ぶことができたのは大きかったです


実力は確実に部下のBさんの方が上であるにも関わらず、対等な関係で話をしてもらえたため、業務の割り振り等がとてもやりやすく、そういった面でも大変助けられました

ただ、Bさんもさすが歴の長い刑事…
瞬時に ”事件の一番おもしろいところ(核となるところ)” を嗅ぎ分ける力”があり、”じゃあMirai 部長、ぼく〇〇やっとくから!” なーんてさらっと自ら役割を立候補し、了解の返事をするころ初めて ”あー!Bさんまた一番おもしろいところ持ってったー!” とぼくが気づかされることがよくありました笑(後半はBさんに先取りされないよう気をつけていましたが笑)


そんなBさん、ぼくみたいな若造のくせに自分の上司となっているガキに、本当に良くしてくれました…

前述の通りBさんがぼくに惜しみなく教えてくれたのもそうですが、Bさんはいつもぼくの成果に対し”フィードバック”をくれました

”よくあんな場面でここまでの(供述)調書とれたねー!これは凄いよ”、”あいつよく謳わせられた(否認から是認に転じさせた)ねー!オレが(取)調べても全然やったのに笑”、”これ謳わせられた(証言とれた)のデカいよー”、などなど…

こういうこと・こういう立場の相手に向かってしっかり言える”人間性” が何よりBさんの凄いところだと思います(刑事ってこーゆーの意外と少ないんですよね−…)

年下のくせに役職は上というクソガキを、同等の刑事・仲間として扱ってくれたBさんの器の大きさを、心から尊敬しています!

Bさんがいると張り詰めた場も和む
Bさんがいると張り詰めた場も和む

超クリエイティブなカリスマ〜C係長〜

最後3人目は”C警部補”

C警部補(以下C係長)は本部の係長で、ぼくを刑事・国際捜査の道へ引っ張ってくれた上司!

そもそもC係長のお陰でぼくは刑事になることができ、また国際捜査の道を歩むことができました
まずこの点で、本当に感謝が尽きません…涙


で、本題のC係長の凄いところですが、もうアラフィフだというのに、”考え方が超クリエイティブ”なのです!!

ぼくより20年以上前に警察学校を卒業し、ぼくと同じ警察署に赴任になったC係長(当時巡査)は、そのころから異端児ぶりを発揮します笑

ぼくはこの話を、警察官4年目の春、ちょうど東京へ発つ前にカフェでC係長から聞いたのですが、ちょっとここではオンエアできないほどぶっとんだこと(←すいません笑)、当時から堂々とやってのけてたそうです笑

加えて、”自分のキャリアを計算して自らの人事異動すらコントロールする”、ということを体現している人でした笑

警察官なら分かると思いますが、人事異動をコントロールするなんて基本ムリです(もちろん”希望”は出せます笑)
しかし警察組織の特性をしっかり把握した上、極めて合理的な方法でC係長は自分のキャリアをある程度コントロールしていたのです(←やましいことは全くしてません)

上司の言うことは絶対、完全なる縦社会という警察…いや、もはや軍隊
この令和の時代でもそんな組織風土なのに、20年前といえばもっともっと上下関係、年功序列がきつかったと思います…

警察学校を卒業し、数年の交番やパトカー勤務を経たぼくは、良くも…いや、悪くも(笑)”警察という組織の窮屈さ”を感じていたところだったのですが、そんな組織に20年以上前から立ち向かい、自らのキャリアすらコントロールしてきたというカリスマ上司と初めて出会い

「こんなクリエイティブな人、警察におったんや…、、すご…」

と衝撃を受け、心底感動したのを今でもはっきり覚えています笑

警察組織の窮屈さを感じていた当時のぼくに、刑事としての道を示してくれたのは、間違いなくC係長でした…

そんなC係長は間違いなくぼくの”憧れ” でした!

それからは東京にいる間も、報告を兼ねて定期的に連絡をとっていましたし、県に戻ってからも本部へ行く機会があれば必ずC係長のところに顔を出していました


刑事となって本部の事件に加わった時、現場でC係長と仕事ができた時は本当に嬉しかったですね!


もちろん、C係長は語学堪能で海外勤務経験もあるなど、刑事としての実績に関しても素晴らしい方です!

以前警察学校の教官をしていたこともあり、めちゃめちゃ怖かったそうなのですが(C係長のクラスだった先輩が言っていました笑)、今でも定期的にある同窓会に担任教官として呼ばれているそうです♪


実績抜群で人情に熱く、なおかつ固定概念に縛られないクリエイティブさを持つカリスマ上司
に目を掛け、導いてもらったことに関しては、ただただ感謝しかありません…


そんなC係長がいつもぼくに言っていたの

「いろんなことを経験してしっかり学べ!ただやるなら完璧にやれよ!」

という言葉を胸に、ぼくは今も日々全力で学び・チャレンジしています!

型にハマらないカリスマ C係長
型にハマらないカリスマ C係長

まとめ

さて、【ぼくが出会ったマジで凄い警察官〜刑事課編〜】いかがだったでしょうか!

またまたぼくの大恩人メインの構成となってしまいましたが笑、”素晴らしい人を師として学ぶ” というのはごく自然なことかと思うので、”凄い人=師匠=恩人” となってしまう構図についてはご了承ください笑

とはいえ、世のベテランの刑事さんに比べれば、ぼくのレベルなんてまだまだヒヨッ子ですし(もちろん得意分野はありましたが笑)、ぼくが出会ってきた刑事課員なんて限られています

県警には、そして全国には、もっともっと凄い刑事さんがたくさんいるとは思いますが、あくまで経験者の一意見として読んでもらえると嬉しいです♪




ではまた!

地域課編はこちら

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