これが ”ベトナムスタンダード”!
【ベトナム現地のワクチン事情】

これが ”ベトナムスタンダード”! 【ベトナム現地のワクチン事情】

chào các bạn!

どうも

元警察官、現在ベトナム在住のMirai です!


先日、9月30日夜から約3ヶ月振りのロックダウン緩和となったベトナム最大都市ホーチミン

ぼくも久しぶりにランニングできて気持ちよかったですね〜


今回のロックダウン緩和の大きな理由としては、ホーチミン市のワクチン接種率の向上がある訳ですが、ベトナムのワクチン事情というのはそりゃーもー、、、凄いっ笑


という訳で今回は、ベトナム現地のワクチン事情を”リアルに”解説していきます!

*ちなみに、ぼくはワクチン接種に対して特に賛成でも反対でもありません(ただベトナムで生活する上での便宜上、既に2回接種していますが)

ワクチンは ”正義”

ベトナムでは「ワクチン=正義」です!

どういうことか、順を追って解説してきますね!

「ワクチン=正義」となっている背景には、以下2つの要因があります

① 政府によるワクチン接種”超”推進政策
…とにかくワクチン接種率を上げて生産活動を再開させないと、先進諸国から苦情が入りまくり&生産拠点が移されてしまう

② 国民がとにかくコロナを恐れている
…医療体制が十分でないので、コロナに罹ると野戦病院(≒自宅療養よりも劣悪な環境)などの病院送りとなることから、罹患に対して強烈な恐怖を抱いている

これらの理由から、政府によって ”コロナに罹りたくなかったらとにかくワクチンを打て政策!” が半ば強制的に進められており、またベトナム国民自体もコロナを大変恐れているので、ベトナム国民全体に ”ワクチン接種=コロナに罹らない→早くワクチン打ちたい!” という考えになっているように思います

なのでベトナムではワクチン接種を断るなんて話は全くと言っていいほど聞きませんし、ワクチンの将来的な副反応について警鐘を唱えるベトナム人専門家の意見なんかも聞いたことがありません(おそらく政府によって遮断されてるだけだとは思いますが笑)


ホント、ここまで盲目的に信頼できるのも逆に凄いですね、国としての統一感が半端ない笑

どんな方向を向くにしろ、”集団が一丸となって同じ方向へ進む” という事象は大きな力になりますしね


まあ個人的には、この「ワクチン=正義」ってのは ”良くも悪くも” だと思ってるんですが、反対意見がないと物事を単面的にしか捉えられないので、それに関してはリスクがあるんじゃないかと感じてます

ベトナムでは「ワクチン=正義」

アストラゼネカは ”神”

現在ベトナムのワクチンはこんな感じです

<大人気!>
ファイザー(アメリカ)
アストラゼネカ(イギリス)
モデルナ(アメリカ)

<人気なし>
シノファーム(中国)
スプートニクV(ロシア)

<あまり市場に出回っていない>
ジョンソンエンドジョンソン(アメリカ)
ハヤット・バックス(UAE・中国)
アブダラ(キューバ)

<未承認>
ナノコバックス(ベトナム)

*参考:VIET JO

現在日本では3種類しか認可されていないことを考えるとかなり多いですよね笑

上記の通り、この中で特に人気があるのが、日本でも認可されているファイザー(アメリカ)、アストラゼネカ(イギリス)、モデルナ(アメリカ)の3種類!

この3つが接種できる機会があればベトナム人は有無を言わず飛びつきます笑


ですが、ファイザーとモデルナは先進諸国でも認可されてることから、ベトナムで調達できる数が限られており、ワクチン接種開始早々に在庫切れ


そこで白羽の矢が立ったのが日本から寄付されたアストラゼネカ

日本や開発国のイギリスですら ”40歳以上の接種に限る” としているアストラゼネカのワクチンですが、ベトナムでは関係ありません!

大事なのは “アメリカもしくはイギリス製であること” そして ”先進国から寄付されている” ことの2点のみ!笑

ベトナム人にとって欧米や日本の製品に対する信頼は絶大なので、”日本から寄付されたアストラゼネカ” はもはや ”Made in JapanのiPhone” みたいなもんなのです笑

ファイザーやモデルナより20%ほど感染率・発症率が劣るということで、日本国が余らせていたアストラゼネカのワクチンですが、ベトナムでは絶対的に信頼されています


接種するワクチンがアストラゼネカであれば両手を挙げて喜び二つ返事で接種を了承します

この盲目的信頼はもはや ”神を崇拝するレベル”


最近はタイから輸入されたアストラゼネカも出回っているようですが、やはり人気があるのは ”日本(もしくはイギリス)から輸入されたもの”

日本政府からは不要と言わんばかりに海外へ放出されたアストラゼネカのワクチンですが、ベトナムでこんなに崇拝されるなんて…
まさに ”捨てる神あれば拾う神あり” です笑


世界の工場となっているベトナムは、”とにかく接種率をあげるんだ!種類は問わない!” と言わんばかりに、現在世界各国から様々なワクチンの寄付を要請していますが、結局人気3種以外だと接種を断る人も多いみたいです…

ベトナムでアストラゼネカは”神レベル”
ベトナムでアストラゼネカは”神レベル”

ちなみに、ベトナム人はベトナム語読みで AstraZeneca を発音するので ”アスチャー” となり、本当に✕3分かりにくいです笑(ベトナム語では ”tra=チャ”)

接種方法は3種類

ベトナム現地でのワクチン接種方法は3種類あります!

① 地域接種
…日本と同じように、住民票もしくは戸籍のある地域(外国人は住民票のある地のみ)でワクチンが接種できるようになっています
 ちなみにベトナムの地域接種は事前に希望登録をしておくと ”今から来て!” という風に突然接種案内が来るシステムになってます笑

② 職域接種
…こちらも日本と同じように、職場単位でワクチン接種を申請することができます
 職域接種に関しては事前に日時・ワクチンの種類が通知されます
 が、必要ワクチン数が十分確保できていないベトナムにおいて、自社に上記人気ワクチンの接種券を優先的に回してもらうには、都市(省)への多額の寄付が暗黙条件となっています苦笑

日本大使館(領事館)経由での接種
…こちらは海外ならではですね!
 やはり海外在住法人にとって最も信頼できる機関は日本国大使館(領事館)!
 ①や②より開始時期は遅かったものの、事前の予約や会場案内から接種までの流れなど、安定感は抜群だったと聞いています(さすがですね)

*住民票のない方が日本へ一時帰国しても、成田や羽田で接種できるようになってます

接種は基本 ”屋外で” 笑

ベトナムのワクチン接種は基本屋外です笑

一応、小学校の軒先とか、公民館に学校の運動会で使うような簡易テントを張って行われるのですが、やはりデフォルトは屋外です笑

これを日本の看護師の友人に話したところ 失笑” されました笑


ちなみに、PCR検査も基本屋外です笑

ワクチン&PCRは屋外がデフォ笑
ワクチン&PCRは屋外がデフォ笑

1回目と違うワクチンでもOK

”2回目は1回目と同じワクチンを受ける”

こんなこと日本では議論の余地がないと思いますが、ベトナムでは違います笑

・1回目 ファイザー → 2回目 アストラゼネカ:OK
・1回目 アストラゼネカ → 2回目 ファイザー:OK

*参考:VIET JO

人気のファイザー早々に在庫切れとなったものの、とにかく早急に接種率を上げたいベトナム政府は「ファイザーとアストラゼネカならミックスOK」という指示を出しました!

一部世界ではこんな研究もなされていますが、まだまだ実験・研究段階のことを政府が堂々と認可してます笑

異なるワクチンの組み合わせ接種も「高い予防効果」=英研究/ミシェル・ロバーツ、保健編集長、BBCニュースオンライン

ベトナムは国を挙げて、率先して世界の研究に貢献してるんですね笑

超絶!地域格差!

ベトナムのワクチン接種状況です(10月2日時点)

参照:Our World in Data

ベトナム全人口のうち、1回以上接種済が36%2回接種済が11%のようです

一方、現在ベトナム政府が最もワクチン接種に力を入れている、ベトナム最大都市ホーチミン市

同市の18歳以上の接種率は、1回目のみ接種が96.4%、2回目も接種済みが60.6%。65歳以上では2回目も接種済みが69.1%(VIET JO 10月4日より)

ホーチミン市の人口は約900万人(登録数)、そのうち15歳以下が約23.9%(参照:top10tphcm.com
→16歳と17歳のおおよその人口を足すと約27%
→657万人のうち96.4%が1回以上接種、2回以上接種が60.6%
⇒ホーチミン全体では約70.3%が1回以上接種約44.2%が2回以上接種


…はい、ご覧の通りもの凄い差です

ベトナム全体とホーチミン市では1回以上接種で「約2倍」2回接種で「約4倍」の差があります

また、ベトナムの人口の約10%はホーチミン市が占めていることや、ホーチミン以外にもハノイやダナン、カントーなどの大都市があることを踏まえると、都市部と農村部での地域格差はさらに広がるでしょう…


確かにベトナムの農村部ではまだコロナ感染者がほとんどいないという事情も分かりますが、日本のような民主主義国であれば真っ先に政治家が叩かれるネタになるでしょう苦笑

この辺りはさすが社会主義国!一党独裁の強権ですね笑

”ホンマ、格差あり過ぎて耳キーンなるわ”笑

ロックダウン解除と今後の展望…

ベトナムのワクチン事情はリアルにこんな感じです

日本では考えられないようなことが普通に起こってますね笑


とはいえ、冒頭にお話した通り、つい先日9月30日夜をもって、約3ヶ月に渡るホーチミン近郊都市のロックダウンが緩和されました…

緩和当日の様子がこちら↓


…はい、緩和された途端にコレです汗

日本の緊急事態宣言解除とは訳が違うってことをみんな全く理解していません

ただ目の前の緩和という事実に浮かれてる、そんな印象ですね

この調子でいくと、再び感染爆発が起きる可能性も十分あります


ですが、もし再度感染爆発したとしても、再びロックダウンとはならない気がします

というのも、一度ロックダウンを緩和し経済を回し始めたベトナムにはそう簡単に止まれない理由があるのです…

そもそも、ベトナムのワクチン入手にはこんな背景があります

大企業の生産工場がこぞってアンタんとこの国にあるのに、ロックダウンとは何事じゃい!怒

ウチ、ワクチン接種率低いんでロックダウンせざるをえないんっすわ

ワクチン接種率上がったら工場再開さすんですけど、途上国なんでワクチン買えるお金ないんっすよ…

ここはお一つ!ワクチン恵んでもらえないっすかね?笑

んんん…、仕方ねえな、、、
その代わりワクチン接種率が上がったらソッコー工場再開させろよ!

こんな感じで世界の生産工場となっているのを盾に、先進諸国から大量に無料寄付してもらってるので、ワクチン接種率が上がったら経済を再開(工場稼働を許可)せざるを得ないのです

実際、3ヶ月もロックダウンを敷いていたせいで、既に先進諸国からの圧が掛かりまくっています…

安い労働力を売りに、世界の名だたる大企業の生産工場を誘致してきたことに加え、ワクチン寄付の条件もあるので、一度再開した経済をそう簡単にストップさせる訳にはいかないのです


ロックダウンが緩和され、ニューノーマル(←with コロナのベトナムverの呼び方)へと舵を切ったベトナムで、今後どんなことが起きるかを大予想!


ズバリ!
政府によるかさ増しならぬ ”感染者のかさ減らし ”が起きると見てます笑

ま、今も少なからず行われてるでしょうが、今後はもっと大きな数が隠蔽されるんじゃないでしょうかね笑(←100%ぼくの個人的観測なので発言の責任は一切とれません笑)


…とはいえ、こういうことが普通に起きるのがベトナムという国

そんな不安定で不確実、そして不透明な環境ですが、これこそが ”海外移住の醍醐味” でしょう笑

こんな状況ですが、今ベトナムにいることを、引き続き精一杯楽しんでいこうと思います♪





ではまた!

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